【なにが違う?】就労継続支援「A型」「B型」の違いを徹底解説

学校を卒業したけれど、一般企業で働くのはまだ難しいかも、、、
一度社会に出たけれど、体調を崩して自宅で過ごしている、、、

大切なお子さんの将来を考えたとき、親御さんの胸に去来するのは 「この子はこの先、自立して生きていけるのだろうか」 という切実な不安ではないでしょうか。

日本には、障害や病気、あるいは環境によって働くことに困難を抱える方を支える「就労継続支援」という公的なサービスがあります。名前は聞いたことがあっても、A型とB型の具体的な違いや、どちらがお子さんに合っているのかを判断するのは難しいかもしれません。

そこで、この記事では、就労継続支援A型・B型の違いを比較解説します。 親御さんがどのような視点でお子さんの就労を支えていくと良いか、参考になると幸いです。

目次

就労継続支援とは?「働く」と「福祉」の交差点

就労継続支援とは、障害者総合支援法に基づく「福祉サービス」の一つです。
一般企業での勤務(一般就労)が困難な方に対して、働く場所を提供するとともに、知識や能力の向上のために必要な訓練を行います。
最大の特徴は、そこが単なる「訓練の場」ではなく、実際に作業を行い、対価を得る「仕事の場」であるという点です。

「まだ働くのは早いのではないか」と心配される親御さんも多いですが、就労継続支援は「完璧になってから行く場所」ではなく、「働きながら、自分に合ったスタイルを見つけていく場所です。

【早見表】で比較「A型」と「B型」の違い

A型とB型の最も大きな違いは、「雇用契約を結ぶかどうか」に集約されます。これにより、給与面や求められる働き方が大きく変わります。まずは以下の表をご覧ください。

項目就労継続支援A型(雇用型)就労継続支援B型(非雇用型)
契約形態雇用契約を結ぶ雇用契約を結ばない
給与・工賃最低賃金以上が保証される働いた分だけ「工賃」を支払う
平均月収約8万円〜10万円前後約1万6千円〜2万円前後
主な対象一般就労を目指せる状態にある方自分のペースで体調を優先したい方
労働時間原則として1日4〜5時間など固定1日1時間、週2回からなど柔軟
社会保険加入する(労働条件による)原則として加入しない
年齢制限原則として18歳以上65歳未満なし(幅広い年齢層が利用)

① 就労継続支援A型(雇用型)の特徴

A型は、事業所とお子さんが「雇用契約」を締結します。つまり、福祉サービスの利用者であると同時に、その事業所の「従業員」という立場になります。

  • 賃金の安定: 各都道府県の最低賃金が適用されるため、一定の収入が見込めます。
  • 責任と自律: 「仕事」としての責任が生じるため、遅刻や欠勤をせず、決められた時間働く訓練になります。
  • ステップアップ: 一般企業への就職(一般就労)に近い環境で、より実践的なスキルを身につけます。

② 就労継続支援B型(非雇用型)の特徴

B型は、雇用契約を結ばずに作業を行います。体調やペースを最優先できる、非常に柔軟な仕組みです。

  • 負担の少なさ: 「働かなければならない」というプレッシャーが少なく、まずは社会との接点を持つことが目的です。
  • 居場所としての機能: 専門スタッフによる見守りが手厚く、生活リズムの改善や対人不安の解消に重点を置けます。
  • 多様な活用: A型へのステップアップを目指す方だけでなく、生涯の生きがいとして長く通われる方もいらっしゃいます。

A型?B型?「判断基準3つのポイント」

どちらの支援を利用するか検討する際、親御さんがチェックすると良い3つのポイントを挙げておきます。

1. 「安定した通所」ができるか

A型は「仕事」としての側面が強いため、決まった時間に週4〜5日通うことが前提となる事業所が多いです。一方、B型は「今日は体調が悪いから午前中だけ」といった柔軟な調整が可能です。お子さんの現在の体力と精神的な安定度を見極めましょう。

2. 「自立の定義」をどこに置くか

「自分の力で生活費の一部を稼げるようになってほしい」という経済的自立を意識し始める段階ならA型が選択肢になります。しかし、「まずは家から出て、誰かと挨拶できるようになってほしい」という精神的な自立を優先する時期ならば、B型から始めるのが安心です。

3. 「支援体制」の厚み

A型は一般就労に近い分、求められる作業精度も高まります。B型はスタッフによる生活支援や相談支援がより密接な傾向にあります。お子さんが今「指導」を求めているのか、「情緒的な支え」を求めているのかを考慮しましょう。

「ひきこもり・不登校」を経験したお子さんへのアプローチ

高校卒業後に挫折を経験し、自宅で過ごしているお子さんの場合、親御さんのご心配や焦りは相当なものかもしれません。しかし、無理に「A型」や「一般就職」を勧めると、再度の挫折を招き、さらに深くひきこもってしまうリスクがあります。 そのような場合は「B型からのスモールステップ」も視野に入れると良いでしょう。 B型は「働く場所」というより「安全な外の世界」としての役割を果たします。ここで「自分は受け入れられている」という自信を回復してからA型へ移行するケースは非常に多く、結果としてその方が一般就労への近道になるのです。

「利用料」や「手続き」に違いはある?

最後に、サービスを利用するにあたって気になる「料金」や「手続き」について解説します。2026年からは、一部で新制度がスタートしています。

利用料に違いはない

A型もB型も制度上の料金の仕組みは同じです。また、多くの方で実質0円で利用しています。

コチラ↓でさらに詳しく解説しています。

②手続きの流れに違いはある?(2026年時点)

2026年の時点での違いは2点あります。

  • 2025年より始まった新制度「就労選択支援」がB型は義務化スタートしている
  • A型には選考がある

そのため、利用までの流れが違います。

就労継続支援A型を利用する流れ(2026年現在の運用)

A型は、2027年4月から「就労選択支援」が義務化される予定です。そのため、2026年現在は従来の「選考・契約」が中心の流れです。

  1. 相談・情報収集: 市区町村の窓口やハローワークで、通える範囲のA型事業所を探します。
  2. 見学・体験: 気になる事業所へ行き、実際の仕事内容や雰囲気を確認します。
  3. 事業所の「選考」: A型は雇用契約を結ぶため、履歴書の提出や面接があります(一般企業の就職活動に近いです)。
  4. 内定・利用申請: 事業所から内定が出たら、自治体の窓口へ「A型の利用申請」を行います。
  5. 支給決定・契約: 自治体から受給者証が発行されたら、事業所と正式に「雇用契約」を締結し、勤務開始となります。

就労継続支援B型を利用する流れ(2025年10月〜義務化済み)

B型は、2025年10月から「就労選択支援」というステップを通ることが原則必須となりました。事業所と契約する前に、「本当にお子さんに合っているか」を確認する期間が設けられています。

  1. 相談: 市区町村の障害福祉窓口などへ相談。
  2. 就労選択支援の利用申請: 窓口で「就労選択支援」のための受給者証を申請します。
  3. アセスメント(診断)の実施: 専門の事業所で、1ヶ月程度(最大2ヶ月)かけて作業体験や面談を行います。本人を意向を踏えつつ「何が得意か」「どんな配慮が必要か」などを専門家が分析します。
  4. 報告書の作成: 診断結果をもとに、A型・B型・一般就労など、お子さんに最適な道が提案されます。
  5. B型の利用申請・契約: 報告書を添えてB型の利用申請を行い、自治体からB型の受給者証が発行されたら、事業所と契約してスタートです。

まずは相談してみましょう

「手続きが複雑そう……」と感じるかもしれませんが、すべてを一人で行う必要はありません。窓口で紹介される「相談支援事業所」の担当者が、伴走者としてサポートしてくれます。まずは窓口で相談してみましょう。

「働かなければならない」というプレッシャーを、「ここなら自分らしくいられるかもしれない」という希望に変えていく。就労継続支援A型・B型は、そのための確かな足場となります。 お子さんとあなたの未来が、少しずつ明るい方向へ動き出すことを心から願っています。

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