もしかして「うつ病?」 親だから【気付けること】と【できること】

「最近、子どもの様子がおかしい……」
「なんだかいつもと違う気がする、、、」

その直感は多くの場合、当たっています。うつ病の初期症状は、病院の診察室よりも先に、家のリビングや食卓に現れるからです。

本人は「自分がダメなせいだ」と隠そうとしますが、一番近くで見守ってきた親御さんには、言葉以外のサインが届いているはずです。

この記事では

  • うつ病の初期症状
  • 親としてできること

を取り上げます。

目次

家族だから気付ける「生活の変化」

うつ病は脳のエネルギー不足の状態。そのため、優先順位の低いものから手が回らなくなります。
外では「普通」を装っている場合でも、家の中では「隠しきれない変化」が出てくるものです。
初期症状をいくつかリストアップしました。

身だしなみの変化

  • お風呂に入るのを嫌がる
  • 何日も同じ服を着ている。
  • 部屋が急激に散らかり始める。
  • 以前は気にしていた髪型やメイクに無頓着になる。

食事に関する変化

  • 大好物を出しても、美味しそうに食べる気配がない。
  • そもそも食欲がなくなっている。
  • 逆に、食べる量や回数が増えた。

睡眠に関する変化

  • 朝、何度起こしても起きなくなった。
  • 夜、部屋の電気がずっとついている。

その他

  • ボーッとしている時間が増えた。
  • 感情が感じられない。
  • 性格が変わったような気がする。
    (とても怒りっぽくなった。ずっとイライラした様子など)
  • 頭痛や腹痛など体調不良を訴えることが増えた。
  • よくやっていた趣味や楽しみをやらなくなった。

初期症状ケーススタディ〜身近に潜むサインを見逃さないために〜

大学4年生 Aさんの場合/「怠けているだけ?」

就職活動を控えたAさんは、もともと明るく、友達も多い社交的な性格でした。
そんなAさんに起きたちょっとした変化・・・

昼過ぎまで寝ていることが増え、あんなに好きだったオシャレをしなくなりました。お風呂に入るのも面倒がり、1日中パジャマで過ごしています。
親御さんは「就活から逃げているだけじゃないか」「ダラダラしすぎだ」と考えていました。

これはうつ病の初期症状でした。脳のエネルギー不足のため、お風呂に入るという動作一つにも、通常の何倍ものエネルギーが必要なほど疲弊していたのです。「怠けている」のではなく「動けない」状態でした。お風呂にも入れないので、好きだったオシャレを楽しむこともできなくなってしまったのです。

社会人1年目 Bさんの場合/単なる「体調不良」?

働き始めたばかりのBさんは、弱音を吐かない責任感の強い性格でした。
そんなBさんに起きた異変、、、

毎朝、仕事のために家を出る直前になると「お腹が痛い」「吐き気がする」とトイレにこもるようになりました。しかし、会社を休むと昼頃には少し回復したように見えるため、親御さんは「精神的に甘えがあるのだろう」と考えていました。

「うつ=気分が落ち込む」と考えがちですが、気分の落ち込みより身体症状として強く出る場合があります。このケースは自律神経が乱れて身体症状として現れました。これもうつ病の初期症状なのです。会社を休んで少し回復したように見えるのは「甘え」ではなく、ストレス源から離れたことによる一時的なものに過ぎませんでした。

うつ病の初期症状かも?その時、親にできること

家族や身近な人が初期症状に気付くことはとても大切なことです。
それは、本人が気付きにくいから。
本人は「自分は大丈夫だ」「気のせいだろう」と思い込んでしまうことが多いのです。

もし初期症状に気付いたら、、、
「親に何ができるのか」ご紹介します。

安心して休める場を

うつ病は休息が必要です。
「何もせずにボーっとしている」
「1日中寝いている」
ことはよくあることです。

ですが、身近にいる人ほど回復を願うあまり
「いくらなんでも甘えすぎじゃないか」「少しは頑張れるんじゃないか」
と思いがちです。
そして、イライラしたり、アレコレ口を出したくなるかもれません。

しかし、これは決して「甘え」や「怠け」からくるものではありません。
責めずに「今はエネルギーを充電している最中だ」と見守りましょう。

本人の辛い思いに耳を傾け、それに共感することが大切です。
そうすることで「あなたの味方だよ。だから安心して休んでいいよ。」と安心感を与えることができます。家庭が心身ともに安心して休める場であるよう心がけましょう。

早期発見・早期治療が大切/スムーズな受診【3つのポイント】

うつ病は脳のエネルギー切れ(機能不全)という「病気」です。本人の努力の問題ではありませんし、親の愛情や努力でどうにかなるものではありません。

また、早期発見・早期治療が有効です。

初期段階で十分な休息をとるなど、早期に適切に治療を開始することで症状の悪化を防いだり、回復までの期間が短縮される傾向があります。

初期症状は自分では気付きにくいため、「受診」のハードルは高いかもしれません。そんなハードルを下げるための3つのポイントを紹介します。

①身体症状に焦点を当てる

「最近眠れてないようで辛そうだよね?一度、病院で相談してみない?」
と身体症状の改善を目的として伝えてみましょう。

②主語を「私」にする

あなたは眠れないから病院に行くべきだよ

私はあなたが眠れなくて辛そうなのがとても心配
受診してくれると安心する

比べるとよくわかりますが、「あなた」を主語にするとキツい言い方になってしまします。
「私」を主語にすることで、それを和らげることができます。

③伝えるタイミング

早くよくなってほしい、、、早期治療しなければ、、、
と焦るあまり本人の状態を考えずに伝えるのは避けましょう。
調子がよさそうな時に伝えるようにしましょう。

受診する前にできること

本人は予約の電話一本さえ入れるエネルギーがありません。自分で病院やクリニックを調べるエネルギーもないでしょう。
代わりに親御さんが事前にクリニックを調べ、予約を代行してあげてください。
また、これまでの変化(チェックリスト)をメモしておくと診察がスムーズです。

親もひとりで抱え込まない

子どもがうつ病かも?
と思った時、自分を責めてしまう親御さんも多くいらっしゃいます。
しかし、うつ病は様々な要因が重なって起こるもので、誰のせいでもありません。

まずは親御さん自身が冷静に、そして健康でいることが、お子さんの回復への一番の近道です。
ひとりで抱え込まないでください。

どうしても医療機関のハードルが高い時は、別の相談先も検討してください。
医療機関の他にも相談できる場があります。

  • 厚生労働省:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
    ご家族の方へ
    働く方やそのご家族、職場のメンタルヘルス対策に取り組む事業者の方などに向けて、メンタルヘルスケアに関するさまざまな情報や相談窓口を提供している、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトです。
    ※厚生労働省「こころの耳」より
  • 精神保健福祉センター
    各自治体に設置されており、無料で相談に乗ってくれます。
    全国精神保健福祉センター一覧(全国精神保健福祉センター長会HPより)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次