他人事じゃない【大人のひきこもり】親としてできることは?

「うちの子が、このまま社会から取り残されてしまうのではないか……」
「自分の育て方がいけなかったのだろうか」

そう自分を責め、出口の見えない暗闇の中にいるような気持ちで毎日を過ごされていませんか。大人のひきこもりという問題は、ご本人だけでなく、支える親御さんにとっても非常に孤独で、精神的に苦しい毎日だと思います。

しかし、決して自分を責めないでください。
お子さんを思い、悩み、今日こうして情報を探そうとしていること自体が、お子さんを深く愛している証拠です。ひとりで抱え込まないでください。

大人のひきこもりは、個人の性格や家庭環境だけの問題ではなく、現代社会の歪みが重なり合って起こる「心のエネルギー切れ」の状態です。
この記事では、日本の現状と、希望を感じられる事例、そして今日からできる小さな工夫を一緒に見ていきましょう。

目次

「ひきこもり」とは?

そもそも「ひきこもり」とはどのような状態を指すのでしょうか。
厚生労働省では、以下のように定義しています。

「様々な要因の結果として社会的参加を回避し、原則的には6ヶ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態」

近所のコンビニに行く、趣味の用事の時だけ外出するといった、他者と直接関わらない形での外出があっても、社会的なつながりがなければひきもこりと定義されます。
また、ひきこもりは病気の名前ではなく、あくまで「状態」を指す言葉です。

つまり、ひきこもりは「怠け」「甘え」ではなく、何らかの理由で社会との接点が持てなくなり、心がエネルギー切れを起こしている状態なのです。

日本にはどれくらいの「ひきこもり」がいるの?

内閣府の調査(2023年発表)によると、15歳から64歳までの層でひきこもり状態にある人は、全国で推計146万人にのぼるとされています。これは、およそ50人に1人がひきこもり状態にあるという計算です。
つまり、ひきこもりは現在、決して珍しいことでも、特定のご家庭だけの問題でもないのです。

かつては「若者の問題」とされてきましたが、現在は40代や50代、いわゆる「大人のひきこもり」が増加しており、親が80代、子が50代という「8050問題」も深刻化しています。

原因はさまざまですが、これほど多くの人が同じ悩みを抱えているのは、それだけ今の日本社会が「一度レールを外れると戻りにくい」厳しさを持っているからとも言えます。あなたの家庭だけの責任ではないのです。

ひきこもりを脱した事例

今は暗闇にいて、苦しい時期かもしれません。
しかし、そこから抜け出した方々もたくさんいらっしゃいます。

10年のひきこもりからB型事業所へ繋がったAさん

Aさんは大学中退後、対人不安から10年間自室で過ごしていました。親御さんとの会話も最小限でしたが、家族会に参加し始めた親御さんが「今のままのあなたでいい」という姿勢を見せ続けたことで、少しずつ心を開き始めました。

最初のステップ:オンラインの「居場所」から

いきなり通所するのは怖かったため、まずはひきこもり支援団体が運営するオンラインのチャットルームに参加しました。そこで自分と同じような経験を持つ人と話し、「自分だけじゃない」という安心感を得ました。

次のステップ:週1回の「見学」と「体験」

支援員と一緒に、地域のB型事業所を見学しました。B型事業所は、雇用契約を結ばず、体調に合わせて通えるのが特徴です。Aさんは「週1回、1時間だけ、誰とも話さず軽作業をする」という条件で体験を始めました。

現在:自分の「好き」を仕事に

Aさんは手先が器用だったため、B型事業所での「ハンドメイド製品の梱包」や「パソコンでのデータ入力」にやりがいを感じるようになりました。現在は週3回通っており、「自分が作ったものが誰かの役に立ち、工賃(お給料)をもらえる」という体験が、大きな自信になっています。

わが子がひきこもりになったら

「我が子にどう接すればいいのか……」と悩むあなたへ。
まずは以下の3つのスタンスを大切にしてみてください。

① 叱咤激励や正論を、一旦お休みする

「将来どうするの?」「みんな頑張っているよ」という言葉は、ご本人が一番自分に言い聞かせ、苦しんでいる言葉です。正論は時に、追い詰められた心をさらに深く傷つけてしまいます。まずは「おはよう」「ご飯だよ」といった、何気ない日常の挨拶から再開してみましょう。

② 親自身が「自分の人生」を楽しむ時間を持つ

お子さんのことが心配なあまり、親御さん自身の生活が「ひきこもりの解決」一色になっていませんか? 親が苦しんでいる姿は、お子さんにとっての罪悪感となり、さらに心を閉ざす原因になることもあります。 少し勇気がいりますが、親御さんが趣味の時間を楽しんだり、友人と会ったりして、笑顔を取り戻すことが、家庭内の空気を変えるきっかけになることがあります。

③ 小さな変化を見逃さない

「今日はいつもより長く起きていた」「一緒にテレビを見て笑った」。そんな、他人から見れば些細なことが、回復への大きなサインです。結果を急がず、変化の芽を大切に見守ってあげてください。

抱え込まずに気軽に相談してみませんか?

ひきこもり解決の最大の敵は、家族だけで抱え込んでしまう「孤立」です。日本には、あなたを支える専門機関があります。

厚生労働省のサイトにはお住まいの地域の「地域支援センター」や「保健所」を簡単に検索できます。
ひきこもりVOICE STATION(相談窓口一覧)

他にも、 同じ悩みを持つ親御さんたちが集まる場である家族会(親の会)もあります。実際に、Aさんの事例では、親御さんが先に家族会とつながったことがきっかけとなって、B型事業所へつながりました。相談するだけでも、心の重荷はぐっと軽くなるはずです。

ジョブトレでも相談を受け受けています。抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
ジョブトレの無料相談・施設見学の詳細はこちら

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